ご覧いただきありがとうございます。駆け出しコインディーラー満元です。
これまでに株式投資、不動産投資、太陽光投資、投資信託、FX、仮想通貨取引、金現物保有などを経験して、アンティークコインにたどり着きました。
様々な投資手法を知る中で、それぞれのメリットデメリットや自分の向き不向き、社会情勢を考慮しつつ、いくつかの運用を続けて利益を上げています。
これはそんな私のコイン投資戦略をまとめたブログです。
今回はアンティークコイン投資の鑑定済みコイン、スラブとグレードについてお伝えしたい内容を綴ります。
購入するなら鑑定済みコインがおススメ!
スラブの見方とグレード
・世界二大鑑定会社 PCGSとNGC
アンティークは全てが一点物のため、価値が付けづらいカテゴリの一つです。しかしアンティークコインは鑑定会社による鑑定により、厳正な評価基準によって鑑定付けされ、”スラブ”と呼ばれる頑丈で出し入れ不可能なケースに封入されます。
鑑定会社の中でも世界的に認められている二大鑑定会社のPCGS(Professional Coin Grading Services)とNGC(Numismatic Guaranty Company)があります。
・鑑定済みコインのスラブの見方
スラブにはコインと共に”ラベル”も封入されます。NGCラベルには①コインの発行年、②発行国、③額面単位、④コインの状態を示す”グレード”、⑤固有の鑑定番号などが記載されます。その下に⑥コイン本体が位置します。
PCGSの場合、NGCのスラブに加えて⑦PCGSナンバーという、同じ種類のコインに定められた番号とグレードが記載されています。
このラベルを見れば、基本的には誰でもどんなコインでどのようなグレード化を見ることで価値が分かるようになっているので、特別な目利きを必要としません。
鑑定会社はエキスパートによる公平なコインの真贋、情報、状態をグレードとして数値化してラベルに記載し、コインの状態を保全するのに最適なスラブに封入します。世界中のコレクターや投資家から厚い信頼を得ています。
・アンティークコインの分類 グレーディングスケール
PCGSとNGCはコインの数値グレードの前に2文字のコードを使用して、その製造方法と全体的な外観を示しています。上の画像の④に該当する部分です。ストライクタイプ、グレード、ストライク文字・特徴が記載されています。
まずはストライクタイプです。最も一般的なMS(ミントステイト、流通用コイン)、PF・PR(プルーフ、コレクター・収集用、投資用コイン。PCGSではPR,NGCではPFと表記)、SPの表記には複数の意味合いがあります。一つはSpecimen(スペシメン)試鋳貨や見本貨幣という本番のコインを作る前のコインです。二つ目はSpecial Strike(スペシャルストライク)、特別製造のコインです。SPは二つの意味合いがあり、コインによって異なるので混乱しやすい部分です。
グレードはコインの状態に応じて1から70までのグレードを割り当て、コインの状態が一目瞭然となりました。なのでグレードでは70鑑定が最高鑑定となります。
アンティークコインは100年以上前のものは珍しくなく、1000年以上前のコインもあるため、モダンコインのように綺麗な状態で残っている物はほとんどありません。後ほどコインの状態ごとのグレード評価を一覧で記載します。
そのためこういったアンティークコインは66や65、中には50台が最高鑑定といったコインもあるので、数字だけではなく鑑定されたコインの中で何番目か、というのが重要視されます。
アンティークコインでは最高鑑定やハイグレードのものが、堅調に価格上昇しやすい傾向にあります。
・数値グレード
先に触れたコインの状態によって、1から70の数字が付けられるグレード。さらに割り当てられたグレードに対して、より良いコインには”+”や”★”といった評価が付けられる場合もあります。
数値について以下のように決められています。
MS (Mint State) /
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5倍の倍率でポストプロダクションの欠陥がないコイン。微小な鋳造上の欠陥を許容。 |
MS (Mint State) /
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ほとんど気にならない程度の欠陥があるが、完全に打たれたコイン。 |
MS (Mint State) /
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ごくわずかな欠陥だけで非常に鋭く打たれたコイン。 |
MS (Mint State) /
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わずかな欠陥だけで鋭く打たれたコイン。 |
MS (Mint State) /
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最小限の刻印とヘアラインで非常に良好な状態のコイン。 |
MS (Mint State) /
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中程度の刻印やヘアラインで良好な状態のコイン。 |
MS (Mint State) /
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いくつかの明らかなマークやヘアライン、その他の小さな欠陥がある平均以上に打たれたコイン。 |
MS (Mint State) /
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やや弱い又は平均的に打たれたコインで、中程度の擦り傷と大小のヘアラインがある。 |
MS (Mint State) /
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わずかに弱い又は平均的に打たれたコインで、摩耗の痕跡はない。63よりも傷が多い又は大きい。 |
MS (Mint State) /
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摩耗の痕跡がなく、弱いまたは平均的に打たれたコイン。より多くのマークや複数の大きな擦り傷がある。 |
MS (Mint State) /
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摩耗の痕跡がなく、弱いまたは平均的に打たれたコイン。多数の擦り傷、ヘアライン、大きな擦り傷がある。 |
AU
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デザインの最も高い部分にわずかな摩耗が見られる。細部がすべて残っている。 |
AU
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デザインの50%以下の部分でわずかな摩耗が見られる。細部がすべて残っている。 |
AU
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デザインの50%以上にわずかな摩耗が見られる。デザインの高い部分にごくわずかな柔らかさが見られ、細部がすべて残っている。 |
AU
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デザインの50%以上にわずかな摩耗が見られる。デザインの高い部分にわずかに柔らかさが見られ、細部がすべて残っている。 |
XF
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デザインの高い一部分に軽微な摩耗があるものの、細部が残っている。 |
XF
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デザインのほとんどの高い部分に軽微な摩耗があるものの、細部が残っている。 |
XF
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デザインのすべての高い部分に摩耗があり、細部が残っている。 |
XF
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ほほ細部が残っていて、デザイン部分には適度な柔らかさがある。 |
XF
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ほぼ細部が残っていて、デザイン部分がより柔らかさがある。 |
XF
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シャープな文字と数字で構成された適度なデザイン |
F
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へこんだ部分に若干の柔らかさがあり、文字や数字はシャープ。 |
F
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へこんだ部分により柔らかさがあり、文字や数字はシャープ。 |
VG
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デザイン全体に摩耗が見られる。文字や数字に柔らかさを感じる。 |
VG
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デザイン全体に摩耗が見られる。文字や数字により柔らかさを感じる。 |
G
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外周の文字や数字がすべて残っており、外縁がシャープ。 |
G
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外周の文字や数字がほぼ残っており、外縁に摩耗が見られる。 |
AG
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ほとんどの文字や数字が読める、外縁はフィールドまで摩耗している。 |
FR
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細かい部分が見えている、外縁はほとんど見えない。 |
PO
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コインの日付と種類を特定するのに十分に細部が残っている。外縁が平ら、またはほぼ平ら。 |
NGCでは+と★について以下のように決められています。
+プラス |
割り当てられたグレードの上限で、次のグレードの品質要件に近いコインに+を割り当てている。例えばMS64+にグレーディングされたコインは、MS65にグレーディングされたコインの品質に近いものとする。技術的に優れていることに加えて、+の評価を受けるコインは、平均以上のアイアピールがなければならない。すべてのコインが+の対象となるわけではない。XF45からMS68、またはPF45からPF68にグレーディングされたコインは、+を受けることができるが、それ以下のグレードのコインやそれ以上のグレードのコインは受けることができない。 |
★スター |
指定されたグレードにおいて、アイアピールが優れているコインに”スターデザイン”を付与する。アイアピールはコインの最も主観的な属性だが、コレクターが共有する多くの基準がある。卓越したアイアピールには、鮮やかでカラフルな色調、強烈な光沢、プルーフコインの場合は特に強いカメオのコントラストなどの属性がある。★の評価を受けるためには、コインに明らかな凹凸や水平性の乱れがなく、気になる斑点やシミ、汚れがないことが必要。トーンコインは単色でも多色でも構わないが、黒に近いダークブラウンの部分があってはならない。スター表示のコインは、それぞれのグレードの範囲内であれば、どのような状態にもなりえることがある。例えば、MS64★にグレーディングされたコインは、MS64の下位、中位、上位のいずれかに該当する可能性がある。 |
PCGSでは★評価はなく、+プラス評価のみです。PCGSでの+プラス評価は、XF45からMS/PR68のグレードが対象となり、そのグレードにおいて非常に優れたアイアピールを示し、そのグレードのコインの上位30%に位置する、とされています。
ストライク文字・特徴にはコインの独自の特徴が記載されます。上の画像の一枚目の”MATTE”もこれに該当します。他にはPFコインにのみ付与される、CameoやUltra Cameoといったフィールド(コインの何もない平らな部分)とデバイス(肖像やデザイン部分)のコントラストが強く、デバイスのフロスト具合(”艶消し”や”霜降り”とも呼ばれます)がハッキリしているコインに記載されるものもあります。
この辺りは今後記事にしたいと思います。